今月の症例
10mm大の空腸平滑筋腫
牛尾 恭輔
1
,
廣田 映五
2
Kyosuke Ushio
1
,
Teruyuki Hirota
2
1国立がんセンター放射線診断部
2国立がんセンター病理部
pp.696-698
発行日 1985年7月25日
Published Date 1985/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109897
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〔症例〕49歳の男性で,1983年9月,突然メレナがあり貧血(Hb 6.29/dl)も認められた.10月下旬,小腸X線検査で10mm大の隆起性病変が発見されたが,都合により手術は見送られた.しかし,1984年1月,再び下血が認められたため,入院し小腸二重造影法にて精査後,2月23日空腸部分切除術が施行された.経過良好にて2週間後退院した.
〔本症例の見どころ〕この症例に対して,小腸X線検査は①経口簡便法+圧迫法,②二重造影法,の両方が行われている.それぞれの利点を活用して,病変の形状を描出したつもりである.その結果,術前に充実性の腫瘍で,しかも頂部に小さな浅い陥凹を伴った粘膜下腫瘍であると診断しえた.X線像と切除標本とで,所見の1対1の検討を十分に行っていただきたい.
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