Refresher Course・11
この症例にみる診断過程のポイント
狩谷 淳
1
,
田沢 浩
1
Jun Kariya
1
1千葉県がんセンター放射線診断部
pp.105-108
発行日 1985年1月25日
Published Date 1985/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109675
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
〔症例1〕72歳,男性,主訴:血便.
〔X線所見〕注腸造影時,透視中に,S状結腸に隆起性病変を認めた(矢印①).その二重造影像がFlg. 1である.この像からでも,大きさがほぼ2.5cmで,広基性であること,表面の陥凹を思わせるごく淡い不整形の陰影(矢印②)が見られること,基部にいわゆる“lndentatlon”(矢印③)が認められることなどから,おそらく小さなBorrmann 2型癌であろうと読影される.しかし,このような写真で,あれこれと推定を楽しむのもよいかもしれないか,もう少し工夫して,その病変の形態を,有無を言わせずに,きちんと把握できるX線像を撮影し呈示したいものである.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.