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書評「新臨床内科学 改訂第4版」
高橋 昭
1
1愛知医科大学
pp.903
発行日 1984年8月25日
Published Date 1984/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109575
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「新臨床内科学」の初版が刊行されたのは今から10年前の1974年であった.その当時は,やっと大学紛争も終わり,講義や臨床実習が軌道に乗り始めた頃で,言わば,本書は大学紛争収拾後に発行された最初の内科学教科書であった.従来日本で発行されていた医学の教科書が比較的少人数の大成された高名な方によって執筆されたものであったのに対し,この本では,数人からなる編集責任者のもとに大家と新進気鋭の専門家が数多く参集し,それぞれの専門分野ごとに分担執筆するという画期的な教科書として登場した.この初版は,医学生に高い評価をもって迎えられ,当時の学生は内科実習の際にはほとんど本書を教科書として携帯していたし,また,その後に発行された医学教科書のあり方にも1つの新しい方向を示すものとして先鞭をつけたのである.
内科学には,基礎医学を基盤として臨床医学への道を拓く過程が要求されている.このことは,内科学教科書は病態との関連を考慮せずに単に臨床症候や検査所見の羅列に終わることが許されず,個々の疾患の記述に当たっては病因病態から臨床像,臨床検査,治療,経過,予後に至るまでが有機的に系統立ったものでなければならないことを意味する.一方,これらを簡潔,明瞭に,しかも要領よくまとめ上げ,多人数分担執筆にありがちな不統一性や連係の欠如に陥らぬようにしなければならない.また,日進月歩と言われる近年の内科学の進歩の跡も的確に取り入れておらねばならない.
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