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編集後記
高木 国夫
pp.840
発行日 1984年7月25日
Published Date 1984/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109549
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胃癌診断の進歩で,早期胃癌が数多く発見され,その予後が極めて良好なことが明らかになり,診断する側も外科的治療を行う側も早期胃癌と言うと,治るものとして,安易に考えてしまう傾向があるのであろう.早期胃癌の中で,術後5年以内に,ときに5年以後に再発して,愕然とした経験を持たれたことがまれではないであろう.
本号では組織学的に早期胃癌であった症例の中で再発死亡した症例には,どのような特徴があるかを取り上げた.再発の多くが血行性肝転移で,隆起型早期癌に多いことが今回の検討でも明らかにされ,リンパ節転移が認められた症例に再発があり,術前診断からは,岡村らの細胞悪性度が胃生検の段階で検討されるようになることが期待されよう.
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