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編集後記
高木 国夫
pp.696
発行日 1980年6月25日
Published Date 1980/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106913
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「小膵癌診断への挑戦」というような気負ったタイトルでの特集は今迄なされたことはなかったし,今後も恐らくはないであろう.このようなタイトルの特集で果たして,最も困難な問題―膵癌の早期診断―にどのように肉迫しうるか,編集にたずさわったものにとって,みのりあるものが得られるかどうか,本当に心配であった.世界においても,とりあげられたことがないことであって,この特集をみて戴ければ,編集者の心配が杞憂に終わったことに納得されることと思う.数多い進行膵癌の中での小膵癌の臨床像,診断過程が一歩づつ明かにされているが,小膵癌に対する治療の面からのアプローチが不充分であった点がおしまれる.病理面からの膵癌の進展,小膵癌の組織学的検討は,今迄なされていなかった分野で,診断治療にたずさわる方面に極めて示唆に富んだ内容であろうと思う.
座談会で膵癌の早期診断について充分検討して戴いた.
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