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編集後記
高木 国夫
pp.1278
発行日 1984年11月25日
Published Date 1984/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109590
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“小膵癌診断への挑戦”(第15巻6号1980年)の特集を出して,4年後に膵癌の治療成績を中心に特集が組まれた.近年膵癌の増加が目立ってきて癌対策の1つとしておろそかにできないものとなってきている.この4年間に診断面の進歩と共に,腫瘍マーカーの検討が新しい面として現れてきているが,率直に言って,その成果が治療成績の面にまで及んでいないのが現状であろう.
膵癌の治療成績は世界においても,本邦においても,未だまとまったものが報告されていない.治療成績の向上には,切除率の向上,すなわち早期診断が最も重要であるが,膵癌の全国登録例でも,切除率が25%にすぎない.進行した膵癌に対して,外科的療法と共に,放射線療法が検討されたが,術中照射例の病理面での報告は,今後の治療面への示唆に富んだものであろう.
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