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書評「Lasers and Hematoporphirin Derivative in Cancer」
渥美 和彦
1,2
1東京大学
2医用電子研究施設臨床医学電子部門
pp.762
発行日 1984年7月25日
Published Date 1984/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109518
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“ヘマトポルフィリン誘導体(Hpd)が悪性腫瘍の組織に親和性があり,それが光エネルギーにより励起されると螢光を発生する.しかも,その状態が長く続くと細胞毒性があり悪性腫瘍は壊死におち入る”ということは,1960年から1970年になって知られるようになった.
1972年ごろより米国のNew YorkのRoswell Park Memorial研究所のT. J. Doughertyらは,Hpdを利用した悪性腫瘍に対する光化学治療の基礎的研究を開始していた.一方,東京医科大学の早田義博らのグループは,肺癌のモデル作成実験を行っており,1974年には,イヌの肺に癌をつくることに成功していたが,その後,肺の扁平上皮癌の作成に成功している,この2つの研究グループが,協同実験を開始し,現代の“悪性腫瘍のHpdレーザー光化学治療”の臨床応用への道を開いたのである.
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