今月の主題 大腸sm癌
主題症例
A 内視鏡的ポリペクトミー後に経過観察している例
5.有茎性大腸癌の電気焼灼後3年5ヵ月で進行癌となった1例
牛尾 恭輔
1
,
山田 達哉
1
,
廣田 映五
2
1国立がんセンター放射線診断部
2国立がんセンター病理
pp.804-805
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109389
- 有料閲覧
- 文献概要
〔症例〕63歳,女性.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.1970年,粘液便の中に少量の血液が混入したため当院受診.直腸鏡にて肛門縁より13cmの部位に,有茎性の隆起性病変を認め生検を施行した.その後,病変より出血が止まらないため電気焼灼を受け,その際,隆起性病変の大部分も脱落した.
生検材料の組織診は高分化型腺癌で,一部では粘膜下組織に浸潤していた.16日後の直腸鏡検査では瘢痕化し,smearの細胞診で癌細胞は陰性であり,以後,年1回の経過観察が指示された.1年後,2年後の検査(注腸および直腸鏡)で異常は指摘されなかった(Fig. 1a,bの矢印の病変は当時チェックされていない).しかし,3年後に血便が出現し,1973年12月の直腸鏡と注腸検査(Fig. 1c)にて,直腸~S状結腸に腫瘤を認め再発と診断し,翌年1月,低位前方切除術が施行された.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.