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書評「高齢者の手術とケア」
相馬 智
1
1杏林大学
pp.418
発行日 1983年4月25日
Published Date 1983/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109377
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私たちは現在高齢者社会の真っただ中にいる.今世紀ほど,これだけagingが問題になった時代もあるまい.agingの生理,病態,歴年齢とaging,機能そして精神障害,社会的背景などいずれをとらえても問題は大きい.この道の権威である山城先生が編者になって「高齢者の手術とケア」という本を上梓した.まさにタイムリーな企画と言える.
高齢者の線を60歳か65歳に引くかを云々したのはわずか15年ほど前のことである.現在では専門外の私ですら平気で80歳の手術をしているのである.平気と言っては語弊がある.おっかな吃驚といったほうがよいのかもしれない.その矢先にこの本の出現である.むさぼるように通読した.高齢者に対して専門の行き届いたケアと,専門医の努力があれば,ここまでできるのかという驚きがまず頭の中に去来する.
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