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書評「診察術マニュアル」
相馬 智
1
1杏林大学
pp.378
発行日 1982年4月25日
Published Date 1982/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108837
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診察術マニュアル(日野原重明監訳)が上梓された.一読して驚いた.まさに診察術である.原題名は“Manual of History Taking, Physical Examination and Record Keeping”である.まことに訳者の翻訳の妙と言える.本書は,問診,診察,記録管理,付録の4章より成り,診察術のすべてを網羅してある.監訳者の序のとおり,患者を診察するものが,①どう問診して病歴をとるか,②どう診察し,③どう記載するか,を極めて明確に具体的に示した本である.日本ではこのような本はまだない.米国というのは何とプラクティカルな国であろうか.
われわれが医学生のころ―30数年も前になるが―教わった内科診断学にも,この本にあるような項目はちゃんと記載はされていた.しかし,このような具体的な形で教わるのは,おそまつながら,医者になって30数年たった今日初めてである.
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