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書評「消化管器械吻合」
西 満正
1
1鹿児島大学第1外科
pp.296
発行日 1983年3月25日
Published Date 1983/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109332
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最近,器械吻合器が積極的に消化管吻合に用いられるようになってきている.私も食道空腸吻合術,食道離断術,直腸前方切除術などに器械吻合を利用している.1981年に鹿児島で手術手技研究会を主催した際には,主題として器械吻合を取り上げて,種々の問題点について討議を行った.最近いろいろな雑誌にも特集が掲載されているが,使用経験豊かな術者らがその使用法などについて詳細にそしてわかりやすく解説し,単行本としてまとめた本は従来なかったように思う.この本はその最初であり,器械吻合についての理論と実際の教科書となるのではないかと思う.
まず,12世紀にさかのぼる器械吻合の歩みの項が実に興味深い.そして,1958年峰式吻合器のこと,1972年中山隆市式吻合器のことなどを含めて歴史が実によくわかる.私は今後このようなソフトウェアの部門では,日本が世界をリードしてほしいし,するであろうと信じている.
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