外科研修医実践講座・5
手縫い吻合と器械吻合(上部消化管)
鶴丸 昌彦
1
1虎の門病院消化器外科
pp.1305-1309
発行日 1993年10月20日
Published Date 1993/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901268
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先月は手縫い吻合について述べたが,ここ10数年来,器械による消化管吻合,縫合が普及し,手縫い吻合に勝るとも劣らない成績をあげている.これは,高度に品質管理された器械やステープルが内蔵されたカートリッジなど,取り扱いが便利になり,高い信頼性が得られるようになったためである.現在ではそのほとんどが米国製であるが,健康保険でも器械使用の適応が拡大され,使用頻度も急速に増加し,貿易摩擦軽減にも隠れた貢献をしている.しかし,器械吻合のoriginalは,わが日本(京都府立医大・峰教授)であることを忘れてはならない.
虎の門病院消化器外科では,1979年2月より胃全摘後の食道空腸吻合などに器械吻合を用いるようになり,現在では1,012例の食道空腸吻合を行った.その経験に基づき,胃全摘の際の食道空腸器械吻合縫合の手技,コツなどについて述べる.
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