一頁講座
胃癌患者の前検査資料よりみた初回X線検査のあり方―(1)幽門前庭部二重造影法
八尾 恒良
1
,
西元寺 克礼
2
1九州大学第2内科
2北里大学岡部内科
pp.1466
発行日 1972年11月25日
Published Date 1972/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109018
- 有料閲覧
- 文献概要
前回,幽門前庭部を中心とした二重造影法の必要性と,その撮影法について述べた.この部の二重造影法は,胃角部を中心とした至適空気量の二重造影像で,盲点となる部分を予測し,空気注入前に比較的少量の空気で幽門前庭部を描出することを目的とする.この際,幽門輪まで十分に描出することが大事である.
図1は,一応前庭部中心の二重造影像が撮影はされているが,幽円輪近傍の描出がない.図2は,その圧迫像であるが,矢印の部に小さい陰影斑とその周辺の透亮像が認められ,小さいBorrmaⅡ型またはⅡa+Ⅱc型癌であろう.この時点では,この1コマの圧迫スポットフィルムを見落した.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.