Japanese
English
今月の主題 胃・十二指腸潰瘍の治療の検討
序説
胃・十二指腸潰瘍の治療の検討―はじめに
Introduction
岡部 治弥
1
H. Okabe
1
1北里大学医学部内科
pp.749-750
発行日 1978年6月25日
Published Date 1978/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107340
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- Abstract 文献概要
消化器疾患の治療法は,何も消化性潰瘍に限らず,明らかな感染症以外は原因療法ともいうべきものがない.とくに消化性潰瘍は胃・十二指腸潰瘍ともに強い自然治癒力をもっているということで,そのような疾患に応用する治療法の効果判定は実際上大変困難である.本誌の主題は“胃・十二指腸潰瘍の治療の検討”ということであるが,数多い治療法の何をどのような方法ないし規準で検討評価するのか,胃・十二指腸潰瘍を同一に論じていいのか等と考えてくると,この古くして新しい問題は今なお決して簡単ではない.
元来,胃・十二指腸潰瘍は一般にきわめて治癒しやすいが,また再発しやすいことは既によく知られている.したがって潰瘍の再発を防止する治療法ができれば,潰瘍の問題は片づくわけである.しかし現状は,依然として胃潰瘍と十二指腸潰瘍の比率こそ国により民族により違いがあるが,洋の東西を問わず,この消化性潰瘍は消化器疾患の中でもっとも多い器質疾患であり,現在用いられている治療法は如何なるものでも,まだこの大勢を変えることはできないといって過言ではない.
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