一冊の本
腹腔鏡カラーアトラス―生体での腹腔臓器の病理解剖学
竹本 忠良
1
1山口大学医学部第1内科
pp.330
発行日 1982年3月25日
Published Date 1982/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108805
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「ガリレイの道」(平凡社)を書き残した青木靖三は,“ルネサンス,再生,復活は,それは直接の父祖の生きていた時代の復活などではありえない.それならばそれは継続でしかない.……なにものかが復活,再生したことを告げることで,なにものかの死亡したことを宣することだったのである.”と述べた.いな,“1冊の本”として,Beckの新しい編著「Farbatlas der Laparoskopie-Pathologische Anatomie der Abdomens in vivo」という本を取り上げるとき,青木の言葉を引用しようという誘惑に勝てなかった.これでも,気障っぽい文章を書くことは,多少遠慮しているつもりなのである.
よく知られているように,Beckの腹腔鏡アトラスは,谷川久一教授らの訳書も出たAtlas der Laparoskopie(Schattauer,1968)にさかのぼる.その本が,ながい間の沈黙をやぶって“再生”した.第2版は,内容がまったく一新しているし,定評のあるあまりにもきれいな図も約3倍に増えている.
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