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海外文献紹介「下部消化管出血:診断アプローチと治療」
小林 世美
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.1106
発行日 1982年10月25日
Published Date 1982/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108790
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Lower Gastrointestinal Bleeding: Diagnostic Approach and Management Concluslons: R.L. Nath, J.C. Sequeira, A, F. Weitzman, D.H. Birkett, L. Willians, Jr. (Am J Surg 141: 478~481, 1981)
下部消化管出血患者では,診断および治療において系統的なアプローチを要する.最近選択的血管造影の発達で,診断基準が大きく塗り変えられた.血管造影の時代を迎えるまでは,大腸からの大出血の多くは,大腸憩室に由来すると考えられ,出血の場所が解明されないと,盲目的な左側結腸切除が行われた.20%の死亡率と28%の再出血率ゆえにDrapanasらは,生命を脅かす下部消化管出血には結腸亜全摘術を提唱した.しかし血管造影が行われるようになって,血液の漏出が示され,新しい疾患としてangiodysplasia(血管形成異常)が登場した.血管造影の役割は,出血部位を明確にすることにより,結腸部分切除を可能にした.
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