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書評「第Ⅱ巻 消化器・呼吸器」
三井 但夫
1
1慶大解剖
pp.247
発行日 1973年2月25日
Published Date 1973/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108375
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永らく待望されていた「電子顕微鏡による細胞組織図譜」(山田英智・内薗耕二・渡辺陽之輔総編集)の第2巻(総頁305頁)が,このたびようやく上梓のはこびとなり,かつ,これによって全6巻が無事完結を見たことは真によろこばしい.
現在各国で出版されている組織学の教科書や参考書を見亘すと,その中の相当数の頁をさいて電顕像を挿入していることは,米国をはじめ,どこの国でも同じであるが,なおその電顕像は数において甚だ不十分であり,しばしばわれわれの失望するところとなった.かかる意味で,ある程度われわれの期待にこたえてくれたJ. A. G. Rhodin著An Atlas of Ultrastructure(1963)は電顕図だけで167頁に達し,当時その内容に目を見張ったものだが,さてこのアトラスにしても,総論の細胞から各論の感覚器に至る組織学全書であったことを思えば,消化器と呼吸器の二系統だけを扱った上記の細胞組織図譜第2巻が,いかに大著であるかを理解できるであろう.
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