Japanese
English
今月の主題 早期胃癌診断の反省(2)
序説
最近の早期胃癌診断学と私の心配
Recent Diagnostics of Early Gastric Cancer: My Uneasiness about it
芦澤 真六
,
青山 大三
,
長与 健夫
S. Ashizawa
,
D. Aoyama
,
T. Nagayo
pp.157-161
発行日 1979年2月25日
Published Date 1979/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107609
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早期胃癌診断の現況から将来へ
-望まれる一層の精進-
芦澤真六
1)最近早期癌発見の頻度が各施設に於て著しく増加しつつあるのは周知の事実である.
しかし,われわれの教室での経験からその発見の動機をみると,患者自らが外来を訪れて,諸検査の結果,早期癌と診断されたものは10%足らずであり,大部分の症例は他院よりの紹介,あるいはわれわれの教室員の関係した胃集検,または,いわゆるドック形式の検査をうけ病変を疑われたものである.そしてわれわれが主として職場を対象として最近3カ年間に約15万入に行った某2カ所での集検のみに限ってみると,発見された胃癌約100例のうち,早期胃癌が半数以上を占める.すなわち医師が積極的に患者に接していくことの必要さが痛感され,また早期癌を診断しうる医師が増加していることを裏書きするものといえよう.今後より早期癌の発見を増すためには,しかるべき医師がもっと増え,良心的にまた積極的に大衆に接していくことが必要であろう.もちろんいろいろの障害はあろうが,それらを乗り越えて来た先人達のことを思い一層の精進が望まれる.
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