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編集後記
西沢 護
pp.418
発行日 1978年3月25日
Published Date 1978/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107257
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胃では,たとえ原因が分らなくとも,胃切除により根治するような疾患が多く,診断学の進歩により,その治療成績も著しく向上してきた.これに対し,腸では原因が分らないだけでなく,内科的にはもちろんのこと病変部の切除を行っても根治せず再発するようなやっかいな疾患が多い.その代表的なものがクローン病であろう.これらの腸疾患をX線,内視鏡を主とした種々の検査所見および臨床所見とマクロ,ミクロの所見とをつき合せて,とことんその診断の限界をつきつめてみようというのが,昨年の12巻11号からはじまった腸疾患の特集である.ちょうど,胃で行われてきた診断手技を用いて,わが国では疾患も少ないし,また臓器の長さや走行などから検査もやりにくい腸疾患に,どこまで確定診断をつけることができるか,またどの位早期のうちに診断がつけられるかである.
もし,クローン病について,より早期のうちに何らかの処置を加えれば根治成績が著しく向上するものなのかどうかの目安でもつけば,大きな収獲ではあるまいか.
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