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編集後記
西沢 護
pp.114
発行日 1984年1月25日
Published Date 1984/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106944
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昨年1月号(18巻1号)でも,上部消化管スクリーニング法としてpanendoscopyに関する問題が取り上げられているが,再び“panendoscopyの評価”の特集が組まれた裏には,それだけ大きな関心が集まっている証拠である.本号では胃の内視鏡検査で,直視か側視か,その長所と短所が細かく論じられている.読者には,おおよその結論が得られたと思う.直視と側視をどのように使い分けるかは読者の判断にお任せするとして,いつもながらpanendoscopyルーチン説を唱えておられる多賀須氏の,周到で緻密なpanendoscopyの方法論は,ある意味で将来の内視鏡検査の在り方とその効用を示唆しているように思われる.最近の内視鏡は入りやすくして奥深いもの,そして常に慎重で丁寧であれという考え方が文章ににじみ出ているが全く同感である.
新しく連載が始まった“消化器診断入門”もかなり突っ込んだ話をわかりやすく読ませてくれる.初心者だけでなくかなりの経験者にも教訓的で,人にはいろいろの考え方,やり方があるものだと,おもしろく読まれるであろう.
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