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早期胃癌肉眼分類について
岩永 剛
1
1大阪府立成人病センター外科
pp.466
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107146
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本誌の「早期胃癌肉眼分類の再検討」特集号(1976年1月)を読んで感じたことを述べたい.
Hermanekの論文(Endoscopy,1973)に対する見解
Dr. Hermanekが最も力説したのは,日本の早期胃癌肉眼分類は,発表者により各病型の頻度が著しく異るということであった.まず,その中で文献引用をされた私の論文(Leber Magen Darm,1973)について説明しておきたい.これは日本の早期胃癌の臨床病理についてドイツ語で読む人のために簡明に記載したもので,この中に私達の施設での早期胃癌の各病型の実数を記した.その際,複合型は副病型を略してその主病型で表したが,Ⅱc+ⅢとⅢ+Ⅱcのみはそのまま記した.Ⅱa+Ⅱc,あるいはⅡc+Ⅱa等は,外人の初心者に説明するのが難しく混乱を招くと考えたので,それぞれの主病変をとってⅡa,あるいはⅡcとした.このため私達の早期胃癌は,基本型の頻度が最も高く,Ⅱc型が極端に多いと指摘された.
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