--------------------
海外文献紹介「糞便性盲腸穿孔の2例」
酒井 義浩
1
1東京医大内科
pp.442
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113033
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
Stercoraceous Perforation of the Cecum, Report of Two Cases: A. Lasser et al. (Dis. Col. Rect. 18: 410, 1975)
症例 1.54歳女性.2日にわたる右下腹部痛を主訴に入院.既往に33歳時虫垂切除,53歳時子宮筋腫のため子宮・両卵巣切除.便秘の既往なし.降圧剤,鉄剤常用.入院時右下腹部に鶏卵大有痛性腫瘤触知.白血球数12,300,好中球72%,注腸X線像では盲腸の癌と思われる変化を示した.盲腸前壁に6cmの硬い腫瘤があり,終末回腸20cmを含めて右半結腸を切除し,同腸横行結腸端々吻合を施行.腫瘤は直径2cmの糞石を容れた壊死性炎症性線維性組織であり,近接して最大径1cmの不整潰瘍を伴った,組織学的には潰瘍は漿膜外脂肪にまで達する脂肪壊死,線維化を伴う急性慢性炎症であり,多数の小糞塊が穿通部の腸壁や漿膜外層に認められた.術後経過良好で退院し,現在症状はない.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.