胃と腸ノート
Ⅱc+Ⅱa型早期胃癌の臨床診断(3)
倉俣 英夫
1
1神奈川県立成人病センター
pp.378
発行日 1976年3月25日
Published Date 1976/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107130
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M .N. 46歳 男
内視鏡所見:(図1)G. T. Fの所見.角上部より胃角部を通して前庭部を見ると,その小彎より前壁にかけて広い環状の隆起が目立つ.隆起は粘膜下から厚くもり上っている.即ち,大彎側より前庭部前壁に集る多数の粘膜ひだがそれぞれの先端に近く結節状にもり上り,ドーナツ型に連なり環状隆起をなしている.この環状隆起の内側は浅く凹み,不整形の小潰瘍が多発している.この浅い凹みは小彎で角上まで広がっている.しかし隆起は角上へは及んでいない.この広い病変の範囲に比して,この部を含んで胃壁の伸展性は極めて良い.
レ線所見も内視鏡像と同様で,その所見はいずれもまず悪性リンパ腫を考えさせる.
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