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書評「大腸疾患診断の実際」―Ⅰ.検査法・炎症性疾患・虫垂疾患 Ⅱ.腫瘍性疾患・消化管ポリポーシス
白壁 彦夫
1
1早期胃がん検診協会
pp.791-794
発行日 1989年7月25日
Published Date 1989/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106510
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本書を読んで,まず思った.各項は丁寧,かつ,簡潔な文章だなぁと思った.読者の心を一気に走らせる.読みやすい.これが,病変を理解しやすくしているし,臨床的な心組みを,まず,用意させてから写真を読めるようにしていることに加重的に効果をあげている.
多くの研究協力者を得ている.大世帯の施設でないと,高いレベルで貫き通す出版,こんな本はできないのである.出版ブームのさなかにあっての快挙である.まさに臨床研究の大工場で製作された感がある.仕事をするからには,普通は,施設のみんなに有形無形に世話になる.それなのに,自分独りで作ったようにしたがるものだ.一方,仕事もしないのに,一緒にいたというだけで,協同研究者のように,にじり寄るのもいる.改めて本書を手にして,全く著者の人徳だなあと思う.人柄がわかる思いである.
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