--------------------
書評「大腸疾患診断の実際―Ⅰ.検査法・炎症性疾患・虫垂疾患」
小林 絢三
1
1大阪市立大学第3内科
pp.102
発行日 1989年1月25日
Published Date 1989/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106379
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
大腸X線診断の基本は,言うまでもなく,第三者が見てもいわゆる“きれい”な写真を撮ること,すなわち,検討に耐えうる写真(情報)撮影を行うこと,また,フィルム上に描出された所見に対する裏付けを,内視鏡ならびに切除標本の組織診断で確認し,その識拠を示すこと,に尽きると考えられる.しかし,このことが簡単にできそうでできないのが一般臨床の場でもある.
今日の医学教育においては,卒前はもとより,卒後教育の場においても,そのカバーすべき領域は極めて広範囲にわたる.また,その重点がより新しく開発された方法論に偏り,教育されるほうもするほうも,時代の趨勢に押し流されているのが現状であろう.したがって,ともすれば.消化管造影検査は,教育病院を含めた基幹病院においてもスクリーニング的な位置づけに置かれていることは否定しえない.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.