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書評「早期大腸癌―平坦・陥凹型へのアプローチ」
中村 恭一
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1東京医科歯科大学第1病理
pp.640
発行日 1993年6月25日
Published Date 1993/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106186
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本書は大腸の小さな上皮性腫瘍の臨床と病理について,特に平坦・陥凹型の早期癌について記述されたものです.早期大腸癌の診断学の歴史に始まり,平坦・陥凹型早期癌診断についての著者の豊富な経験が本書のいたるところに脈々と流れています.
大腸内視鏡検査法が普及したのはつい最近のことであり,それはまだ一般化しているとは言えないでしょう.本書の大腸内視鏡検査法の解説を読んでいるうちにその検査ができるような,症例の写真を見ているうちに小さな平坦・陥凹型病変を発見してその病理組織診断をしているような気分になってきます,いわば大腸の小さな腫瘍の全貌が見えてくるので,内視鏡診断と治療を志す初心者,大腸腫瘍の病理学を学ぶ者にとって最高の好個の入門書であります.しかし,本書はそればかりではありません.
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