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書評「膵臓外科の実際」
佐藤 寿雄
1,2
1仙台赤十字病院
2東北大学
pp.292
発行日 1993年3月25日
Published Date 1993/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106115
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このたび,齋藤洋一教授,中山和道教授,および高田忠敬教授の編著による「膵臓外科の実際」が刊行された.齋藤,中山両氏はお若いと思っていたら,既に外科学会の指導的立場にあり,高田氏は春秋に富む俊才である.いずれも気力充実し,溢れるばかりの情熱の持ち主であられる.その思考し,行動するところは常にユニークであり,異彩を放っている.本書にもその華麗な演出ぶりの一端がうかがわれる.
手術書の常として解剖と生理は必要であろうが,本書では,それこそ外科医に必要な範囲で簡潔に要領よくまとめられている.その中に“膵臓と臓器相関”があるが,特に“臓器相関からみた術後障害”は新しい観点からのものであり,それが“臓器相関からみた消化管の機能的再建”を導き出している.QOLが叫ばれている今日,外科医には説得力のある項目であろう.
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