--------------------
書評「外傷外科の実際」
櫻井 健司
1
1東京慈恵会医科大学第1内科
pp.668
発行日 1991年6月25日
Published Date 1991/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102562
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
その昔,と言ってもいいと思うが今からかなり前に,ある有名な(notorious)county hospitalの救急室で数か月ほどを過ごしたことがある.そこにはよくもこんなひどい事件があるものだと思わせるような銃創,カミソリ創,交通事故,強姦などの患者が毎晩多く来て忙しくしていた.それ以来,私自身はかなりの期間,外傷外科から遠ざかってはいるが,それだけに非常に懐かしく本書を“一般外科医”として読ませていただいた.
さて本書は7章から構成されている.前半の3章は総論的とも言える部分で“外傷患者の観察と評価一診療のプロトコール”,“軀幹外傷に必要な画像診断”,“外傷の病態生理”から成り,後半は特定領域の外傷から成っている.すなわち“頸部損傷”,“胸部損傷”,“腹部損傷”,“末梢血管損傷”などについてまず基本的アプローチを述べ,次いで各損傷の発生機序,診断,治療方式,術後経過などを記載している.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.