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書評「―650のプログラム教程―臨床解剖学へのアプローチ」
山鳥 崇
1
1神戸大学解剖学
pp.201
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106058
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膨大な解剖学の情報をいかに最小限のものにまとめるかということは,常に古くて新しい難題である.今回医学書院から出版された酒井恒教授著「臨床解剖学へのアプローチ」は,この問題の1つの解決例と言えよう.111頁にわたる図と650の問題と解答という方式を用いて,この本は骨学から神経解剖学にいたる系統解剖学の知識を,索引を除くA5判237頁の中にまとめきっている.まさに解剖学的知識のminimum requlrementsを示す1例であろう.
著者が述べられているとおり,これだけの内容は,医療技術短期大学(学部),保健学部,看護学部などの学生にとっては必要十分なものであろうと思う.しかし医学部の学生にとっては,あくまで最低限知っておかねばならない解剖学的知識を示すものであって,これ以上のものが要求されることは言うまでもない.ただこの本は,医学部の学生にとってもQ&A方式で,説明図を楽しみながら,基礎知識を整理するのに,手ごろなものではないか,と思われる.
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