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書評「「救急マニュアル―救急初療から救命処置まで」第2版」
加来 信雄
1
1久留米大学救命救急センター
pp.186
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106054
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本書は救急初療における座右の書としてベストセラーになったものの第2版である.一般に,改訂版は語句の修正や新しい項目の補填が多いが,編集者・小濱啓次教授の“改訂の序”にあるように,装いを一新した全面改訂版である.
書名は変わっていないが,救急医学(医療)の神髄が全体に織り込まれ,格調高いマニュアルになったことが第一印象である.例えば,バイタルサインのチェックの記事の一部を記すと,“呼吸状態の良し悪しは,その患者がどれだけ十分な酸素を取り入れているか否かを示すものであり,血圧の測定と同様に重要な項目になる.”この文学的表現の中に救急医学(医療)の真骨頂を読むことができる.このような気持ちで診療に臨めば,“患者を診ずして,検査結果をみる”こともないであろう.
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