--------------------
書評「「超音波診断」第2版」
飯沼 武
1
1埼玉工業大学・基礎工学課程
pp.1234
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105962
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
先日,本書の編集委員長である竹原靖明先生から書評を書くようにとの御依頼を受けた.実は私は超音波医学には全くの門外漢であり執筆には適さないものと思うが,あえてお引き受けしたのは次の理由による.
本書の初版の編集委員長・福田守道先生とは厚生省のがん研究助成金の班会議で長く画像診断の有効性の定量的評価の研究を行ってきた.その中で福田先生はもちろん超音波画像を担当され,私たちはX線像やCT像を用いた各種の悪性腫瘍の診断における正診率をROC解析やBVC解析を駆使して比較した.その研究グループで私は福田先生をはじめとする超音波医学の専門家たちの並々ならぬ熱意を感じたのである.超音波診断は私たちが専門とするX線診断に比較すると歴史の浅い画像診断法であるため,超音波医学の先生方は何とか画像の画質を向上させ,X線診断に迫ろうとする意気込みがあったように思う.その当時でも肝細胞癌の診断では超音波像のほうがCT像に勝っているという結果を得たように記憶している.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.