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書評「内科医の薬100」
松村 理司
1
1市立舞鶴市民病院
pp.84
発行日 1994年2月26日
Published Date 1994/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105709
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臨床医学の諸分野の中で,わが国が欧米に比べて大きく劣るものの1つに,臨床薬理学がある.大学でもきっちり教わらないようだ.まして,実際の医療現場での薬の使い方の論理となると,お寒い限りだ.漢方や生薬に対する歴史の長い“無害信仰”が,最新の化学合成薬に対しても通用するとでも錯覚されている.そうでなければ,どれほど薬価差益があろうと,また医薬分業がなかろうと,20種類以上もの多剤併用をする医師が存在できるわけがない.
卒後教育は,この点でもお粗末だ.研修医時代の薬の使い方も,そのときどきに所属した医療環境のたまたまのやり方に馴染むといった程度のことが多い.だから,具体的な教師がナースだったり,MR(medical representative)だったりもする.全くの“我流”だから,正統でも“独創”でもない.卒後何年かたって“専門医”になっても,状況はさほど変わ
らない.
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