特集 早期食道癌1995
主題
Ⅰ.診断
5.病理診断
c)組織診断
(1) 食道扁平上皮の上皮内癌と異形成の組織診断
渡辺 英伸
1
,
中川 悟
1
,
遠藤 泰志
1
,
西倉 建
1
,
味岡 洋一
1
1新潟大学医学部第1病理
キーワード:
食道
,
上皮内癌
,
dysplasia
,
p53染色
,
ki-67染色
Keyword:
食道
,
上皮内癌
,
dysplasia
,
p53染色
,
ki-67染色
pp.407-416
発行日 1995年2月26日
Published Date 1995/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105359
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要旨 食道異形成(dysplasia)のほとんどは上皮内癌で,その大部分は低異型度の扁平上皮癌に属する.癌である理由は,癌の指標であるp53蛋白過剰発現が食道dysplasiaの程度に関係なくみられること,軽度,中等度,高度dysplasiaは漸次移行すること,高度dysplasiaと上皮内癌は組織像やp53染色で差がないこと,高度dysplasiaに類似の組織像が浸潤癌にみられること(しかし,それはsm1~sm2癌までであるが)であり,低異型度癌である理由は細胞異型度が低いこと,細胞分化があること,更に一般に癌胞巣の深層に増殖帯が存在すること,である.食道の異常扁平上皮は,反応性幼若上皮,低異型度癌と高異型度癌に分類され,用語“dysplasia”は不要と考えられた.
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