Japanese
English
今月の主題 食道上皮内腫瘍の診断と取り扱い
序説
食道の扁平上皮内腫瘍
Introduction
田久保 海誉
1
Kaiyo Takubo
1
1東京都健康長寿医療センター研究所老年病理学研究チーム
キーワード:
上皮内腫瘍
,
dysplasia
,
異型上皮
,
上皮内癌
,
intraepithelial neoplasia
Keyword:
上皮内腫瘍
,
dysplasia
,
異型上皮
,
上皮内癌
,
intraepithelial neoplasia
pp.227-229
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202671
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はじめに—歴史
最初に,食道の上皮内病変について歴史的な記述を見てみたい.StoutとLattesの食道の腫瘍病理学書1)(1957)では食道の前癌病変として,leukoplakiaとcarcinoma in situを挙げて説明している.次に,中国河南省の食道の扁平上皮癌の好発地域で行われた細胞診によるマススクリーニング2)(1959年〜)では,前癌病変についてdysplasia(異形成)を挙げている.また,Ushigomeら3)(1967)の症例報告があり,Mukadaら4)(1976)と筆者ら5)(1981)は,剖検食道からdysplasiaを探し出し,食道癌例では頻度が高いことを報告している.しかし,これらの論文の中では,dysplasiaと正常上皮との上皮内の境界に,腫瘍を示唆するoblique lineを見いだす努力がなされておらず,dysplasiaは異型上皮(atypical epithelium)と同義的に用いられている.
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