特集 早期食道癌1995
主題
Ⅰ.診断
2.X線検査による精密診断
c) 鑑別診断の要点
山田 明義
1
,
江口 礼紀
1
,
中村 努
1
,
林 和彦
1
,
菊池 哲也
1
,
小寺 由人
1
,
井手 博子
1
1東京女子医科大学消化器病センター
キーワード:
食道X線検査
,
0-II型食道癌
,
食道裂孔ヘルニア
,
腐食性食道狭窄
,
Barrett上皮
Keyword:
食道X線検査
,
0-II型食道癌
,
食道裂孔ヘルニア
,
腐食性食道狭窄
,
Barrett上皮
pp.323-336
発行日 1995年2月26日
Published Date 1995/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105346
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要旨 0型,特に0-II型食道癌を中心として鑑別すべき疾患のX線像について検討した.X線像上,以下のごとくまとめられた.①びまん性に微細顆粒像,淡いバリウム模様がみられる病変としては異型上皮,各種stageにおける逆流性あるいは感染性食道炎などがある.②辺縁の伸展不良,わずかな不整像を呈する症例としては食道炎のうち,色調変化型,食道潰瘍の治癒過程にあるもの,あるいは治癒像など,また腐蝕性食道狭窄なども鑑別を要する疾患として挙げられる.③明らかな陥凹像を示す症例としては逆流性の食道潰瘍をはじめ薬剤性などの外来要因による潰瘍などがある.④明らかな隆起を示す症例としてはいわゆるロイコプラキー,食道炎の一部,炎症性の食道ポリープ,各種SMTなどがある.⑤炎症性変化その他を伴わないBarrett上皮,胃粘膜島をX線像上で明らかにすることは容易ではない.裂孔ヘルニア,食道炎・潰瘍などの存在,位置関係なども考慮すれば推測することは可能である.
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