特集 早期食道癌1995
主題
Ⅰ.診断
2.X線検査による精密診断
b) 粘膜癌の読影とそのコツ(4)
馬場 保昌
1
,
佐伯 友久
1
,
加来 幸生
1
,
松原 敏樹
2
,
加藤 洋
3
1癌研究会付属病院内科
2癌研究会付属病院外科
3癌研究会付属病院研究所・病理
キーワード:
食道粘膜癌
,
X線診断
,
深達度
Keyword:
食道粘膜癌
,
X線診断
,
深達度
pp.319-322
発行日 1995年2月26日
Published Date 1995/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105345
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要旨 粘膜癌の表面形態は微細であり,基本的な肉眼的表現型は0-IIa,IIb,IIc型である.X線写真の読影の難易さは造影手技のよしあしに大きく左右され,X線像の基本所見は,①陰影斑(凹所見),②顆粒状陰影(凸所見),③線状陰影(縦走ひだ,壁辺縁像)に分けられる.深達度が上皮内癌に近いもの(m1)では陰影斑は淡く,境界は不明瞭で,顆粒の大きさは微細~小顆粒(2mm未満),辺縁壁の異常はほとんどないか,あってもごくわずかな壁不整像である.それより深達度が深いもの(m2~m3)では陰影斑は濃く,濃淡の差があり,陰影斑の境界はより明瞭,顆粒の大きさも中~粗大顆粒(2mmを超える),壁辺縁の不整像や軽度な伸展不良像が表れる.
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