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書評「ヘリコバクター・ピロリ除菌治療ハンドブック」
小越 和栄
1
1県立がんセンター新潟病院
pp.1026
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105185
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1983年にHelicobacter Pylori(以下H. Pylori)の存在が明らかになって以来,わずかな年月にもかかわらず,その臓器障害のメカニズムや病態についての解明が急速に進んでいる.これらが完全に解決され,H. Pyloriの除菌治療が確立されれば消化器病学そのものが大きく変わると考えられる.
日本では健康保険制度の制約の影響もありH. Pylori除菌は諸外国に比較して,かなり遅れている.現在ようやく除菌療法に関してフェーズ2の治験が始まったばかりである.したがって,このような現状では日本の一般臨床医レベルでの除菌療法はまだ先のことで,専門医以外へのH. Pylori除菌知識の啓蒙もまだ先のことと筆者は考えていた.
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