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書評「ヘリコバクター・ピロリ除菌治療Q&A」
菅野 健太郎
1
1自治医科大学・消化器内科
pp.952
発行日 2001年6月25日
Published Date 2001/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103258
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ヘリコバクター・ピロリの除菌治療が,わが国でもようやく保険診療として認められ,わが国の消化性潰瘍治療体系が欧米諸国に近づいてきたことは喜ばしいことである.しかし,これまで除菌治療に造詣の深い専門家の手によって行われてきた除菌治療が,だれでも可能となったことに伴い,全国各地でヘリコバクター・ピロリ感染の診断,適応症,治療法,その後の経過観察の方法,ならびに除菌判定法など,除菌治療における様々なポイントで,保険診療上の混乱が起きていることが明らかになっている.除菌治療が認可になり,製薬メーカーも各地で精力的に講演会を開催して,除菌治療についての啓蒙活動を行い,また各地の医師会も,現場の混乱に対応するために注意を呼びかけているが,いましばらくはまだ様々な問題や疑問が生じてくることが予想される.
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