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書評「Early Coloretal Cancer:Detection of Depressed Types of Colorectal Carcinoma」
安富 正幸
1
1近畿大学第1外科
pp.998
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105177
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工藤進英氏による「Early Coloretal Cancer-Detection of Depressed Types of Colorectal Carcinoma」が出版された.本書は同氏により医学書院から発行された「早期大腸癌―平坦・陥凹型へのアプローチ」の英語版である.わが国の内視鏡の進歩は世界から注目を浴びているが,まだ十分に受け入れられるに至っていない.そこで日本の内視鏡技術の神髄を世界に広めるために英語版として出版されたものである.
長い間,大腸癌はポリープに由来すると考えられてきた.実際,大腸癌の大部分はポリープ由来であるが,ポリープ由来でない癌も存在していることは以前から予想され,de novoの癌と呼ばれていた.著者らにより平坦陥凹型の癌が多数発見され,それらを体系化し臨床上の意義を明らかにしたのがまさに著者である.平坦陥凹型の癌は直径10mm以下で粘膜下層に浸潤することが多く,リンパ節転移を起こすので内視鏡治療の対象ではなくなるばかりでなく,短期間のうちに進行癌に移行するものである.
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