特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅴ.鑑別診断
(8)消化管アミロイドーシス
多田 修治
1
,
飯田 三雄
2
,
青柳 邦彦
3
,
八尾 隆史
4
,
須古 博信
1
,
岡田 光男
5
,
渕上 忠彦
6
,
八尾 恒良
7
1済生会熊本病院消化器科
2川崎医科大学内科(消化器Ⅱ)
3九州大学医学部第2内科
4九州大学医学部第2病理
5福岡大学医学部第1内科
6松山赤十字病院消化器科
7福岡大学筑紫病院消化器科
キーワード:
消化管アミロイドーシス
,
アミロイド蛋白
,
Crohn病
,
潰瘍性大腸炎
,
鑑別診断
Keyword:
消化管アミロイドーシス
,
アミロイド蛋白
,
Crohn病
,
潰瘍性大腸炎
,
鑑別診断
pp.489-496
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105085
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要旨 消化管アミロイドーシス56例と,Crohn病18例,潰瘍性大腸炎16例の小腸および大腸のX線・内視鏡所見を比較し,各疾患の形態学的差異を検討した.アミロイドーシスのアミロイド蛋白型は,AA型38例,AL型14例,AH型3例,AF型1例であった.AA型において微細顆粒状隆起の多発から成る粗糙な粘膜が,AL型において粘膜下腫瘤様隆起の多発と皺襞の肥厚が,小腸を中心にびまん性かつ連続性にみられた.したがって,縦走潰瘍,敷石像と偏側性変形が区域性かつ非連続性に出現するCrohn病とはX線所見の有意な差異を認めた.潰瘍性大腸炎では,粘膜粗糙,粘膜の脆弱性,haustraの消失所見にAA型アミロイドーシスとの重複を認めた.しかし,潰瘍性大腸炎の粘膜粗糙像が凹凸顆粒状粘膜と不整なびらんの多発によって形成されていたのに対し,AA型アミロイドーシスでは比較的均一な微細顆粒状隆起の多発によって成り立っていた.以上の成績から,二重造影と色素撒布を併用した内視鏡検査で粘膜の微細な変化を捉えることにより,消化管アミロイドーシスとCrohn病,潰瘍性大腸炎との鑑別は形態学的にも可能であると考えられた.
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