増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
胃底腺ポリポーシス(fundic gland polyposis)
春間 賢
1
,
鎌田 智有
2
1川崎医科大学総合医療センター総合内科2
2川崎医科大学総合医療センター健康管理学
キーワード:
胃ポリープ
,
胃過形成性ポリープ
,
家族性大腸腺腫症
Keyword:
胃ポリープ
,
胃過形成性ポリープ
,
家族性大腸腺腫症
pp.597
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200947
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定義
胃底腺の過形成と囊胞状拡張から成る胃底腺ポリープが,胃体部から胃穹窿部に多発するものを胃底腺ポリポーシスと呼び,個数には定義はなく,もともとは家族性大腸腺腫症に合併した胃病変として報告された1).その後,家族性大腸腺腫症に合併しない胃底腺ポリポーシスも指摘され2),胃底腺ポリープは,Helicobacter pylori(H. pylori)感染陰性の胃に発生することが多く3),H. pylori感染陰性者が増加しているため,最近では,家族性大腸腺腫症に合併しない胃底腺ポリポーシスの頻度が増えている.さらに,最近,プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor ; PPI)の長期投与で胃底腺ポリープが新たに発生し,既存のポリープが増加・増大し,胃底腺ポリポージスの形態を示すことがある4).PPIによるものは,薬剤の減量,H2受容体拮抗薬への変更,あるいは中止で改善する.
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