特集 消化管ポリポーシス2000
トピックス
家族性大腸腺腫症の動物実験モデル
大島 正伸
1
,
高久 和明
2
,
武藤 誠
2
1萬有製薬つくば研究所
2東京大学大学院薬学系研究科
キーワード:
APC
,
COX-2
,
DPC4/Smad4
,
β-カテニン
Keyword:
APC
,
COX-2
,
DPC4/Smad4
,
β-カテニン
pp.387-391
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104819
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要旨 家族性大腸腺腫症の原因遺伝子として単離されたAPC遺伝子は,散発性も含めた大腸癌発生における癌抑制遺伝子である.APC遺伝子の変異は,複数の遺伝子変異が関わる多段階発癌の中でも最初のイベントであり,ポリープ発生の直接的原因と考えられる.ヘテロのAPC遺伝子ノックアウトマウスでは,正常APC遺伝子がLOHにより欠損することに起因して,腸管にポリープが自然発生する.したがってヒトと同じ機序によりポリープが発生するモデルマウスである.このマウスを用いて,COX-2の活性阻害が腫瘍発生を抑制すること,およびDPC4/Smad4の変異が発生したポリープを悪性化することなどが明らかにされた.
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