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編集後記
田中 信治
pp.1860
発行日 2005年12月25日
Published Date 2005/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104312
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本号では,大腸の側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)の治療法および治療法選択のための診断学を中心に述べられている.LSTの定義や理解はまだまだ議論の多いところで,既存の肉眼型との関連が学会で大きな問題となっているが,内視鏡治療の大きさの限界を論じる場合は非常にわかりやすい言葉である.
多くの先生方が述べているように,病変の臨床病理学的特性に基づいて,腺腫性のLST-Gはたとえ大きな病変でも分割EMRで十分根治可能であるし,LST-NG,特にpseudo-depressed typeはESDまたは外科的に一括切除が必要であろう.ただし,これらの治療法の選択には正確な術前診断が必須であり,病変の肉眼型・部位・大きさなどを考慮して,X線診断,通常内視鏡観察・拡大観察,超音波内視鏡などを適宜選択し正確な術前診断をしなくてはならない.正確な術前診断なくして正しい治療法選択はありえない.
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