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編集後記
大谷 吉秀
pp.140
発行日 2003年1月25日
Published Date 2003/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104208
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今回の特集では,1年間に推定10万人が罹患し,5万人が死亡する“胃癌"の診断と治療の最前線を網羅することを狙いに,X線診断から,内視鏡診断,病理診断,内視鏡治療,外科的治療,化学療法,分子生物学的アプローチに至るまで,第一線でご活躍の先生方に原稿を寄せていただいた.通常号の企画としてはあまり例をみない,やや欲張った内容になったが,本邦で行われている胃癌診療の現状が的確に捉えられているかどうか,愛読者の方々のご批判をいただければ幸いである.
“胃癌に関わる臨床の進歩には目を見張るものがある.しかし,これらが真に進歩や最先端を担うに値するかということについては,少し頭を冷やして考える必要があるように思われる.(中略)何か大きな忘れ物をしていないか"という辛口の批評(吉田論文)は,現状を見据え,次なる目標を模索する本企画の序説として,含蓄の深い,的を射た表現と言えよう.今回は一昨年から導入された「胃癌治療ガイドライン」についての座談会も企画され,熱のこもった討論が行われた.ガイドラインが包含するさまざまな問題点が浮き彫りにされている.近く予定されているガイドラインの改訂作業でこれらを参考にしていただけるものと期待したい.
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