レベルアップ講座 診断困難例から消化管診断学のあり方を問う
保存的治療で狭窄の改善が望めず手術を施行した腸間膜脂肪織炎の1例
鈴木 和夫
1
,
中嶋 均
1
,
小平 進
2
1弘前大学第1内科
2帝京大学第1外科
pp.910-912
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104180
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
症例 患者は62歳,男性・徐々に進行した下腹部痛,交代性便通異常を訴え近医を訪れ,注腸造影検査で異常を指摘されたため,当科に紹介された.
当科で施行した下部消化管X線検査では,S状結腸に約25cmにわたる全周性狭窄を認め,健常部と病変部の境界は明瞭だった.病変部の壁は鋸歯状であり,内面には細い横皺襞が密に認められた.しかし,粘膜の破壊像はなかった(Fig. 1a, b).
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.