早期胃癌研究会
1996年4月の例会から
斉藤 裕輔
1
,
西元寺 克禮
2
1旭川医科大学第3内科
2北里大学内科
pp.906-907
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104178
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1996年4月度の早期胃癌研究会は,西元寺(北里大学内科)と,斉藤(旭川医科大学第3内科)の司会で4月24日(水)に行われた.今回より新しい試みとして,症例検討に加え<mini lecture>を行うことになり,第1回は「食道色素検査法」と題し,都立駒込病院の吉田操先生によるビデオデモンストレーションが行われた.
〔第1例〕54歳,男性.胃MALTリンパ腫(症例提供:新潟市民病院消化器科 何汝朝).
X線,内視鏡ともに川口(東京医大4内)が読影した.初回の内視鏡では胃体下部前壁に活動性潰瘍が認められるが,蚕喰像はみられないため,岡崎(周東総合病院)の批判のとおり十分な内視鏡像ではないこともあり,良性潰瘍と読影された.X線では前壁の不整な陥凹性病変と集中するひだの途絶がみられることによりⅡcと読影された.follow-up endoscopyでは不整形の陥凹性病変とひだの集中を認め,ひだの先端は丸まって中断,陥凹内は白苔と顆粒状の変化により,Ⅱc型早期胃癌が最も考えやすいが,悪性リンパ腫も否定できないとのことであった.
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