Japanese
English
今月の主題 食道dysplasia―経過観察例の検討
症例検討
食道dysplasia(異形成)の組織診断
Histological Review of Esophageal Dysplasia in Follow-up Cases
渡辺 英伸
1
,
松田 圭二
1
Hidenobu Watanabe
1
1新潟大学医学部第1病理
pp.705-761
発行日 1996年5月25日
Published Date 1996/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104152
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企画の背景と目的
食道を含む扁平上皮のdysplasiaは“従来の癌組織診断基準(粘膜固有層や粘膜下層へ浸潤したもの,ないし未分化異型細胞が上皮全層を占めるもの)からみて,扁平上皮癌と判定できない腫瘍性病変を表現する用語”として今日でも世界的によく用いられている1)~6).しかし,初期浸潤扁平上皮癌や上皮内癌病変の集積と分析,分子生物学の導入などにより,従来“dysplasia”とされる病変のほとんどは上皮内扁平上皮癌であるとの意見も提唱されてきた7)8).このため,同一病変に対して異なった組織診断が下されることも生じてきた.
したがって,本企画の目的は,個々の症例で,dysplasiaないし上皮内扁平上皮癌と診断される病変は具体的にどのような組織所見を有しているのか,両診断の間で,組織所見に本質的な差があるのかを明らかにすることにある.
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