特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
c.病理・病変用語
衝突癌(collision tumor)
石黒 信吾
1
1大阪府立成人病センター病理
pp.422
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104094
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2つ以上の発生を異にする腫瘍が同一腫瘤内に存在する腫瘍を意味する.上皮性と上皮性,上皮性と非上皮性,非上皮性と非上皮性の組み合わせがみられる.
悪性の場合は,上皮性(癌)と上皮性(癌),上皮性(癌)と非上皮性(肉腫),非上皮性(肉腫)と非上皮性(肉腫)の併存がみられる.しかしながら上皮性の腫瘍が間葉系(非上皮性)の腫瘍の形質を発現し,間葉系の腫瘍が上皮性の形質を発現することが知られており,また,上皮性や間葉系の腫瘍が他の上皮性や問葉系の形質を発現することも報告されており,発生を異にするか否かの組織学的な証明が困難な症例も少なからずみられる.
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