特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
“イクラ状胃炎”
塚田 芳久
1
1新潟大学第3内科
pp.328
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104000
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慢性肝疾患,特に門脈圧亢進症患者の胃体部に認められる斑状発赤の内視鏡所見が,発赤を取り巻く白色網状の胃小区境界(いわゆるsnake skin)と合わせ,日本で食用にされるサケの卵を単離したイクラに似ているところから塚田らによって呼称された.第71回日本消化器病学会総会(1985年5月)の一般講演,第30回日本消化器内視鏡学会総会のシンポジウム“肝疾患と消化管病変”(1985年10月)に報告された.世界的にはMacCormackらの報告(1985年11月)によるうっ血性胃症(congestive gastropathy)と,その指導者であるTriger教授が第9回世界消化器病学会(1990年9月)の教育講演名としたportal hypertensive gastropathyが同じ病態を示し,その特徴的胃体部所見を指すものと考えられる.
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