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カラーグラフ 臨床病理シリーズ・14
胃疾患の肉眼診断・6
Ⅱ.疣状胃炎
gastritis verrucosa
佐野 量造
1
1国立がんセンター病理部
pp.452-453
発行日 1973年4月20日
Published Date 1973/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205775
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びらん性胃炎(erosive gastritis)のうちで周辺が隆起し,中央が浅く陥凹したのものをWalkはvarioliform,Palmerはchronic erosionと呼び,本邦では"たこいぼ"胃炎として知られている.しかしその病理学的な詳しい研究はほとんどなかった.ところがAbelはこのような周堤を有するびらん性胃炎をレ線学的に経過を追究し2〜3カ月間の短期間で消失するものと,数年以上の長期間にわたり存続するものの2種類を区別して後者の病変をgastritis verrucosaと名づけた.筆者らはAbelの指摘した状胃炎に興味をもちその成り立ちや組織学的特徴について発表してきた.結論として疣状胃炎はびらん後の再生として生ずる腺上皮の過形成(hyperregeneration)にもとづく永続的な病変で,それは胃炎や水腫によつて生ずる一過性の粘膜隆起,すなわち消失型のびらん性胃炎と本質的に区別すべきものであることを主張してきた.
疣状胃炎は肉眼形態より第1図のようにこれを4種に分けることができる.
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